政権短命回避には首相任期制も一策
アンドリュー・ゴードン(ハーバード大学ライシャワー日本研究所所長)
2011年10月号
―日本の「新総理誕生」を世界はどうみていますか。
ゴードン 当然、奇妙なことだと思っているに決まっている。五年間で六人目の首相とは、まさに驚異的といっていい。米国では今、日本の首相が誰なのか、覚えている人などいないだろう。英語表現にflavor of the month(世間の流行)という表現があるが、日本の首相こそまさに、流行(flavor of the・year・)に成り下がっているのではないか。首相が頻繁に代わるということ自体が国益を大きく損なっていることに日本は早く気付くべきだ。
メディアや世論もあまりに短気すぎる。日本のメディアは、世論の関心を引こうと、誰が首相になっても小さなスキャンダルを針小棒大に報道し、引きずり降ろそうとする。瑣末な話で政治を麻痺させる罪はきわめて重い。
―政権の短命化に歯止めをかける方法はないのでしょうか。
ゴードン