続・不養生のすすめ9
糖尿病患者「急増」の大嘘
柴田 博
2011年9月号
七月の某週刊誌に「糖尿病『二千万人の真実』」と題するキャンペーン記事が掲載されたのを、ご記憶の読者もおられよう。私はそれを読んで、暗澹たる気分になった。またしてもいい加減なキャンペーンが始まった、と。
この連載の初回で書いたとおり、日本人の総カロリー摂取量は、終戦直後の一九四六年より、今の方が低くなっている。現代の方が、低栄養なのだ。なのに、なぜ糖尿病患者が急増し、三倍になったりするのか。
手口は簡単である。メタボリック・シンドロームと同様で、診断の基準値を下げたからだ。数値をいじって、患者を意図的に増やしただけのことである。
なぜそんなことをするのか。
これも分かりきったことで、患者を増やすことでメリットを享受する学者・医師と行政、それに製薬業界が結託して危機を創作したのだ。国民には真実を知らせずに搾取する、という点では東京電力と経済産業省、マスコミの結託と全く同様の・・・