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社会・文化

五輪呼べぬ非力なJOC

IOCは「貴族のサロン」

2011年9月号

 石原慎太郎都知事は、前回の「敗戦」にめげることなく、二〇二〇年のオリンピックを東京に招致すると意気込んでいる。  オリンピックが国ではなく、都市による立候補であることはいまさら言うまでもない。前回惨敗した招致合戦をみても、東京都が事務局を設置し、職員を中心として活動を行っていた。あるスポーツジャーナリストが語る。 「招致合戦やロビー運動といった生臭い活動も確かにある。ただ、メインは国際オリンピック委員会(IOC)の中。ここで積み重ねた委員同士の人間関係がしばしば帰趨を決める」  総会、理事会はもちろん、プライベートな交友も含めた親密な関係をどれだけ築けるかが重要になる。オリンピックは欧州から発したものである。階級社会や貴族文化を未だに残す、有力な欧州の国の委員と交流するIOCという空間は「戦場」ではなく、「社交場」なのだ。  IOCは発足当初、実際に貴族が集まるサロンだった。そもそも近代オリンピックを始めたのがフランスのクーベルタン男爵であることを想起すればいい。オリンピックに商業主義を持ち込んだ、サマランチ前会長の時代にオープンにされたというが、やはりサロン・・・