《企業研究》ソフトバンク
インフラ事業で新利権を漁る
2011年9月号
菅直人首相(当時)の退陣と引き換えに「再生可能エネルギー特別措置法」が八月二十六日、成立した。これにより、ソフトバンクの孫正義社長は、絶好調の携帯電話ビジネスに次いでもう一つ、国内でのインフラ産業進出への地歩を固めた。
全国三十五道府県・十七政令指定都市と組んで休耕田に大規模太陽光発電所を建設する「東日本ソーラーベルト構想」だ。
再生エネ法は、太陽光や風力で発電した電力を電力会社が全量買い取ることを義務づける法律。孫社長は、「一キロワット当たり四十円を今後二十年間」という高い買い取り価格を要求。最終的に修正案では買い取り価格は一年ごとに有識者委員会に諮られることになったが、八割方、孫社長の勝利といえるだろう。
韓国メーカーと手を結ぶ
孫社長は、三月十一日の東日本大震災発生直後から福島第一原子力発電所事故による放射能汚染の危険性を盛んに訴え、自ら個人で百億円の寄付を行うなど「反原発」世論を煽り、その先頭に乗った。
目的はすぐに明らかになった。休耕地などにメ・・・