トヨタ「プリウス時代の終焉」(承前)
下請けとの結束に重大な亀裂
2011年9月号
トヨタ自動車のエンジン技術への固執が生んだ落とし子、ハイブリッド車(HV)の「プリウス」。ここにきての自動車各社のプラグインハイブリッド(PHV)への相次ぐ参入が、この金看板プリウスをも「時代遅れ」にしようとしている。
この技術潮流に必死に抗うトヨタだが、彼らがHVに固執すればするほどバッテリーやモーターなどの量産化によるコストダウン競争を助長し、HVより大型のバッテリーを備えて家庭での充電が可能なPHVや、その先にある電気自動車(EV)の普及を後押しする皮肉な状況にある。トヨタが先陣を切ってPHVやEVへ移行すればよいが、その動きは見られない。このままではトヨタがEV市場から取り残され、「HVと心中」する憂き目に遭うのは必至だ。確実に到来するであろう、そのXデーに戦々恐々としているのが、かつて「鉄の紐帯」を誇るといわれ、トヨタファミリーを構築してきた多くの下請け部品メーカーたちだ。