格付け会社の「呆れた」実態
「嘘八百」で世界経済をかき乱す
2011年9月号
米国の大手格付け会社三社が暴走している。ユーロ危機で欧州を振り回したのに続き、八月五日には、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債をトリプルAから、史上初めて一段階引き下げ、世界同時株安の引き金になった。欧州連合(EU)や中国はすでに、大手三社依存からの脱却に乗り出したほか、米当局は「二〇〇八年の世界金融危機」における責任追及に着手した。投機マネーに追随して急発展した格付け会社は、その力のピーク時に、主要国政府の大半を敵に回してしまった。