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経済

格付け会社の「呆れた」実態

「嘘八百」で世界経済をかき乱す

2011年9月号

 米国の大手格付け会社三社が暴走している。ユーロ危機で欧州を振り回したのに続き、八月五日には、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債をトリプルAから、史上初めて一段階引き下げ、世界同時株安の引き金になった。欧州連合(EU)や中国はすでに、大手三社依存からの脱却に乗り出したほか、米当局は「二〇〇八年の世界金融危機」における責任追及に着手した。投機マネーに追随して急発展した格付け会社は、その力のピーク時に、主要国政府の大半を敵に回してしまった。

間違いは「八〇%もの確率」

 オバマ政権は、S&Pを、準備万端で迎え撃った。敏腕投資家から政権入りしたメアリー・ミラー財務次官補率いるチームが、当日にS&Pの分析を見て、ただちに「債務の二兆ドル過大評価」を発見。S&Pはこの指摘を認めたが、結局、「格下げ」の理由を書き換えて発表した。ジーン・スパーリング国家経済会議議長が「最初に結論ありき、だ。論証は付け足しだ」と批判したのも、負け惜しみではない。S&Pは確かに「結論ありき」で動いていた。  動機は何か? 「オバマ政権の金融規制改革法がすべての引き金だ・・・

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