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経済

《クローズ・アップ》中西宏明(日立製作所社長)

三菱重工「呑み込み」失敗の責任

2011年9月号

 八月四日付の日本経済新聞朝刊最終版は超弩級の企業ニュースを報じた。「日立製作所・三菱重工業経営統合へ」である。大手企業同士の合併は企業ニュースの華であり、各新聞が競うところだ。「八幡製鐵・富士製鐵合併」「第一銀行・日本勧業銀行合併」など多くの合併が戦後経済史に刻まれている。だが、今回の・特報・は顔ぶれ、規模、総合電機と重工メーカーという異業種統合などの点で、戦後最大の企業ニュースの特報になってもおかしくはなかった。

「真夏の朝の夢」で終わったのは、統合新会社を主導したはずの日立の中西宏明社長の責任と指摘する関係者が多い。統合構想はまぎれもなく実在し、トップ間でも一定のところまで話は進んでいた。だが、まず日経に話が漏れたところでつまずき、さらに報道の出た朝、中西社長が自宅前で記者団に語った「午後に正式にお話しします」という、誰が聞いても報道を肯定する文言で壊滅した。三菱重工はもちろん、三菱東京UFJ銀行、三菱商事など三菱グループの中核企業の幹部、経営トップOBが激怒したからだ。

 二〇一一年三月期決算では、日立の連結売上高は九兆三千百五十八億・・・