出回った作成者不明の文書
経産省の真意を読み解くには、電力村の巣窟、資源エネルギー庁の人事を見るのがまずは手っ取り早い。資源エネルギー庁の人事は七月の課長級人事から始まり、八月十二日付の幹部人事で完結した。この幹部人事で、電力・ガス事業部長は横尾英博氏から糟谷敏秀氏に交代している。糟谷氏は一見、電力村に染まっていないようにも見えるが、電力村の甘利明氏が経産相だった時代に秘書官を務め、その後も産業技術環境局の筆頭課長時代に、電力業界に対して甘い温暖化対策を貫いた人物だ。電力・ガス事業部は、言うまでもなく、電力村の本丸中の本丸だ。
資源エネルギー庁は筆頭課長に当たる長官官房総合政策課長にも、電力村の優等生だった後藤収氏を置いている。後藤氏は電力・ガス事業部でも筆頭課長などを務め、電力行政を最も知悉すると言われる人物だ。前回の電力規制改革では電力会社の言い分を丸呑みにし、改革を骨抜きにする「悪事」に手を貸している。同部で原発交付金を手がけていた時期もあり、原子力村の連中にも顔が利く。
極めつきは大臣官房審議官に就任した柳瀬唯夫氏の存在だ。柳瀬氏は「原子力・・・