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迫り来る中国経済「瓦解」の足音

地方発「財政破綻ドミノ」が引き金に

2011年9月号

 米国債の格下げという重荷を背負ってバイデン米副大統領が訪中した。次の国家主席に就任が内定している習近平国家副主席が接遇に当たった。  低姿勢の副大統領に対して中国側も強気に出なかった。三兆二千億ドルもの外貨準備を抱え込んでいる中国は「米国経済の強靭な回復を信じる」というしかない。中国が謙虚になったわけではない。中国自身、欧米の債務危機が決して対岸の火事ではないことを知っているからである。

破綻処理のひな形「雲南モデル」

「中国が硬着陸(ハードランディング)することはあり得ない」。習副主席は、副大統領に同行してきた米財界人に述べた。中国の指導者が「硬着陸」を否定することは珍しいことではない。それだけ現実性があるからだ。  中国経済が硬着陸するとすれば、引き金の一つは、中央政府も実態をつかんでいないほど深い闇、すなわち地方政府の負債だ。  中国の地方政府の負債総額について、会計検査院に相当する国家審計署は昨年末の統計で十兆七千億元(約百三十三兆円)と発表している。二〇一〇年の国内総生産(GDP)の四分の一に相当する額だ。  しかし、米国格・・・