インド「ガンジー家支配」に陰り
「女帝」重病と政権腐敗で加速
2011年9月号
インド政界が揺れている。シン政権を陰で操る「女帝」ソニア・ガンジー氏(六十四歳)が八月四日、米国で手術を受け、しばらく帰国できない状態になったためだ。ソニア氏は、故ラジブ・ガンジー首相の妻で、保守本流の与党「国民会議派」の総裁としてインド政界に君臨してきたが、報道によると、ガンの手術を受けたという。ソニア氏は将来、長男で与党幹部のラフル・ガンジー氏(四十一歳)を首相に据え、ガンジー家の血筋継承によるインド統治を画策しているとされるが、女帝不在の間に、腐敗・汚職を批判する反政府の市民運動が全国的に広がり、シン政権は窮地に陥った。政治的に未熟なラフル氏が対処できる状況には到底なく、「ガンジー王朝」の維持に黄信号がともり始めた。