インドシナ半島「少女売買」の闇
後を絶たぬ欧米への「輸出」
2011年9月号
カンボジアが現在、欧米からの猛然とした批判にさらされている。
一九九二年の民主化後、フン・セン首相を中心とする政権与党カンボジア人民党は巧みに他政党を弾圧して、事実上の一党支配体制を敷いている。長年カンボジアで活動する日本のNGO(非政府組織)職員が語る。
「現在でも、国際社会からの選挙監視団は送り込まれている。その段階では公正な選挙が行われているように見えるが実態は違う」
投開票が粛々と行われている陰で、選挙監視団の目が届かない事前の選挙登録の段階で野党支持者をふるい落としているのだ。こうした独裁政権や、腐敗した公務員が跋扈する結果として、二〇〇〇年以降でみれば世界第九位という高いGDP成長率を維持しながら、国民の貧しさは相変わらずだ。