「死に体」のホワイトハウス経済チーム
スタッフ大量脱出で機能不全に
2011年9月号
オバマ政権が支持率低下に喘ぐ中で、ホワイトハウスの「経済チーム」はすでに「死に体」となっている。政権発足から二年半余りで、多くの閣僚級スタッフがホワイトハウスを去った。継ぎ接ぎのメンバーで、まともな政策を打ち出せるのか疑問符が付いている。
八月に入り、オバマ大統領の強い慰留を受けて辞意を取り消したティモシー・ガイトナー財務長官の去就は今後も注目される。報道では留任の理由が「国債格下げなどの経済不安要素が増えたため」としているが、眉唾だ。そもそもガイトナー長官が辞意を財務省高官にリークさせたのは六月三十日である。国債は格下げされていなかったものの、債務上限引き上げのリミットが約一カ月後に迫り、経済の先行きが暗かったという点では、現在に至るまで状況は変わっていないのだ。
ホワイトハウスによる慰留工作は、ガイトナー長官のスタッフにも行われた。しかしそうした動きを無視するかのように、長官の枢軸スタッフのひとりであるジェイク・シーワート法律顧問が辞任し、ウォール街に戻った。