ポピュリズムが世界経済を狂わす
行天 豊雄(国際通貨研究所理事長)
2011年9月号
―現在の世界経済の混乱をどのように見ていますか。
行天 二〇〇八年のリーマン・ショック後の世界の混乱がまだ続いているのだ。「尻尾が犬を振る」と言われるように、昔は実体経済の補助的な機能を果たしていた金融や情報がいまや世界経済を動かしている。過去二十年のこうした構造変化によって、珍しくもないバブルの崩壊という現象が、あっという間に世界をのみ込むようになった。演じられる芝居は同じでも、ステージが変わったために、全く違う姿になっているのだ。コンテージョン(感染力)の恐ろしさに気づき、世界は規制強化に動いているが、いまだ機能するには至っていない。些細な契機で世界経済が乱気流に巻き込まれる状況はまだしばらく続くだろう。―自由主義経済自体が行き詰まっているということでしょうか。
行天