「心を病む」政治家が多くなった
ストレスに弱い議員たち
2011年8月号
政治家といえども、普通の人間である。彼らが重大な病気にかかることは稀ではない。それは身体的な疾病だけでなく、当然精神疾患であることも多い。
厚生労働省は七月六日、癌、脳卒中、心臓病、糖尿病の「四大疾患」に、精神疾患を加えて「五大疾患」とする方針を固めた。精神病がもはや「国民病」であると公に認められた形だが、その前日に復興担当大臣を辞任したのが、松本龍だ。松本の一連の問題行動と発言は省こう。注目すべきは、大臣になる前の松本を知る大学の同級生の証言である。
「おとなしい、気さくな人です」
「あんな喋り方、初めて聞いた。信じられない」
この証言が事実であれば、過去の松本の言動と、今回の騒動にはかなりの断絶があることになる。
松本は、七月十一日に九州大学病院の精神科に入院した。担当医である神庭重信教授の記者会見によると、診断は、「気分障害で軽度の躁状態」であった。神庭教授は鬱病、躁鬱病などの気分障害の臨床家、研究者としてわが国の第一人者である。つまり、松本は躁鬱病に罹患しており、一連の「異常」な言動は、「躁状態」による病的な精神症状によるものだったのである。