菅をのさばらせたマスコミの罪
政権「延命装置」に成り下がる
2011年8月号
首相菅直人が事実上の退陣表明をしてから二カ月が経過した。その菅が七月二十三日午後、東京のホテルニューオータニで開かれた山口県立宇部高校の同窓会に出席した。自民党政権時代の経験則で言えば、お国入りや同窓会出席は退陣直前の予兆と受け取られたが、菅の出席はそうではなさそうだ。各紙の報道によると、菅はこんな発言をしている。
「思うようにいかないのは野党とマスコミという私が得意とした分野だ」
菅の気持ちを忖度すれば「オレはこんなに一生懸命やっているのに野党とマスコミはなぜこんなにいじめるのか」との思いに違いない。野党は確かにそうかもしれないが、果たしてマスコミは菅にとって本当に敵といえる存在なのだろうか。