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炎上「ユーロ圏」に走る亀裂

「破産」ギリシャを切り捨てた独仏

2011年8月号

 ユーロ圏が、ギリシャの国家破産による危機克服に動き出した。ユーロ圏第三の大国イタリアや第四のスペインも炎上間近になったことから、ギリシャを切り捨てざるを得なくなったためだ。ヨーロッパで大規模な債務不履行が起きるのは、一九五七年のローマ条約で欧州統合が始まって以後初めてのことである。ギリシャは今後、同じ通貨を使いながら、「準禁治産者」扱いで経済再建に取り組むという、苦難の道を歩むことになった。
 

まるで北海道夕張市と同じ


 七月二十二日のユーロ圏緊急首脳会議は、一九九九年のユーロ誕生後、最も劇的なものだった。フランスのニコラ・サルコジ大統領は前夜ベルリンに飛び、ドイツのアンゲラ・メルケル首相と合計七時間に及ぶ会談を行い、ジャンクロード・トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁もこれに加わった。三者の争点は、追加支援に当たり、ギリシャに債務不履行をのませるか否か。ユーロの番人、トリシェ総裁は「国債が債務不履行になれば、融資を続けられない」と抵抗したが、「ユーロ全体の危機回避」を唱えるメルケル首相に押し切られた・・・