「武富士更生」を弄ぶ東京地裁
自らの実績作りに汲々
2011年8月号
バナナならぬ武富士の・叩き売り・が佳境を迎えている。最大級の消費者金融の再生を図るはずが、手続きが進むうちに債権者もスポンサーも浮かぬ顔になり、倒産村のセンセイたちの高笑いだけが響く。
田舎芝居を仕切るのが、東京地方裁判所民事第八部(以下、民事八部)の渡部勇次・部総括判事らだ。このままでは、わが国の事業再生に大きな禍根を残しかねない。七月二十二日、民事八部は武富士の更生管財人・小畑英一弁護士が提出した更生計画案について、債権者の賛否を問う付議決定を行った。投票期限は十月二十四日だ。
実は、更生計画案は他に二つ提出されていた。複数のファンドが手を組んだ海外社債権者の案と過払い債権者らの案だ。三つの案が出たにもかかわらず、投票に付されたのは管財人の案のみ。まるで市長選挙に三人立候補したのに、選管が「現職一人の信任投票」にしてしまったような形だ。債権者からは、「やっぱり出来レースだったか」と怨嗟の声があがった。
「空手形」で債権者の賛成を買う
「海外社債権者の更生計画案に添付・・・