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経済

憂慮すべき米国経済

ヘッジファンドも逃げ始めた

2011年8月号

 米国には「フードスタンプ」という制度がある。これは四人家族で月収二千五百ドル(約二十万円)以下の貧困家庭に配られる、食料品購入のための金券である。支給される額は月間二百九十ドル。
 現在このフードスタンプの受給者数は四千五百万人に達している。一日一万人から一万二千人のペースで増加しており、米国の人口三億一千万人の七人に一人、幼児や小・中学生を除く成人では、実に五人に一人が受給者になる計算だ。ちなみにリーマン・ショック前は二千八百万人だったことを考えると、現在の米国で進む貧困化、その背景となる深刻な雇用問題という病巣の一端が垣間見える。

「永久的な衰退とデフレ」


 現在公表されている米国の失業者数は一千四百十万人、失業率は九・二%に達する。しかしここには、すでに職探しを諦めた人やパートタイムの仕事しかない人など、潜在失業者は含まれていない。これを含めた真の実態は失業者数二千四百万人以上、実質失業率は一六・二%というから想像を絶する。
 今回の米国の不況にはこれまでと違う深刻な・・・