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連載

不運の名選手たち19

中川善雄(ハンドボール選手)「中東の笛」事件の好機生かせず 
中村計

2011年7月号

 自分との約束。それは「自分ではマイナースポーツとは絶対に言わない」ことだった。
 ハンドボールの元日本代表の主将、中川善雄が語る。
「メジャーではないですけど……って言い方をするようにしている。ハンドボールがマイナーだなって思う瞬間は、実は外側ではないんです。いつも内側なんです。ハンドボールの世界はネガティブな人が多い。こんなことできないかなって話になっても、すぐ『ハンドボールにそんなことできっこないよ』ってなる。そういうとき、マイナーだなっていちばん感じる」
 中川の友人の一人に、サッカーの元日本代表で「アジアの壁」と呼ばれた名ディフェンダー、井原正巳がいる。彼が話していた。
「昔のサッカーなんて、あの広大なスタンドに数十人しかお客さんがいなかったこともある」
 しかし、一九九三年にJリーグが発足し、サッカー界は変わった。
「何人かの情熱ある人たちが立ち上がってサッカーを変えたんです。待っていても、誰も引き上げてはくれませんからね。少なくとも、自ら『マイナーだから』って言っている人のところにチャ・・・