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社会・文化

なにも生まぬ「八百長談議」

大相撲は伝統的な「興行」

2011年7月号

 七月十日、大相撲名古屋場所が三場所ぶりに通常開催される。日本相撲協会は、八百長問題での、「全容解明」「処分」「再発防止策」の三点セットが揃い、開催への障害はないと説明した。NHKも、五月に行われた技量審査場所の相撲内容に「緊張感があった」として中継することを決めている。
 その技量審査場所の初日打ち出し後、国技館からタニマチ風の男性と徒歩で出てきたある親方がこんな話をしていた。
「(こんな相撲を)やってりゃ人気が出るよ。でも十五日間は続かないだろう」
 そしてこの親方の言葉を裏付けるように、技量審査場所で一つのことが明らかになった。力士が年間六場所、九十日間もガチンコで取組をこなすことが困難であるということだ。

全部ガチンコではケガをする


 初日を土俵下で見守った親方はこう話す。
「土俵際で力士が粘るのはいいが、両力士がもつれるようにして土俵下まで落ちる。まるでケンカだよ」
 これまでとは明らかに相撲内容が違ったのである。初日の中入り後は十八番・・・