「松下政経塾議員」の体たらく
幸之助さんも嘆いている
2011年7月号
いまだに「菅降ろし」が不発に終わっている一つの大きな理由は、「次」が決まらないためだ。内閣、民主党という「ネクスト・バッターズ・サークル」に目を転じてみると、暗澹たる気分にさせられる。
まず、幹事長の岡田克也は四月の統一地方選惨敗もあり、党内レースからはとっくに脱落している。
それに連なり名前の挙がるのは、一時は「最右翼」とも報じられた財務相の野田佳彦を筆頭に、前外相の前原誠司、国家戦略担当相で党政調会長の玄葉光一郎、前総務相の原口一博、元国対委員長の樽床伸二といった面々だ。
そして、彼らは揃いもそろって「松下政経塾」の出身者である。
青臭い理想論を戦わせるのは得意だが、多数派工作にはどうしようもなく弱い――。青年代議士として四人(原口を除く)がきら星のごとく国政の舞台に登場した一九九三年以来、指摘されてきた政経塾議員の弱点だ。
このことが「菅降ろし」を低調にしている。言い換えれば、こんな連中が候補に挙がっているからこそ、菅は首相の椅子にしがみつけるのだ。これほどまでに政治力のない小者ばかりでは、一時は原口や樽床をポス・・・