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経済

みずほ新体制の知られざる真相

西堀人事に込められた深謀遠慮

2011年7月号

「私の最後の宣戦布告だ」
 東日本大震災直後の大規模システム障害という「犯罪的行為」(金融当局筋)の責任をとる形で六月二十日みずほ銀行(BK)の頭取を辞任した西堀利氏は、側近らにこう言い放ったという。
 辞任直前の同十日に西堀氏が断行したBKを中心とする、みずほフィナンシャルグループ(FG)の役員人事。みずほコーポレート銀行(CB)の佐藤康博頭取によるFG社長兼任や、塚本隆史FG社長のBK頭取への横滑りなど「首脳部体制の一連の刷新劇に伴う幹部級行員の入れ替え」(FG幹部)とされるが、この人事こそまさに西堀氏の唱える宣戦布告だったのだ。銀行の中枢部中の中枢とされている企画部門と人事部門から旧第一勧業銀行出身者をほぼ一掃、それぞれのトップや準トップを自らの出身母体である旧富士銀行勢で固めてみせたのである。
「二トップ制への移行で『将』を失うハメになったが、このままおめおめと引き下がったりはしない。参謀陣をすべからく自派閥でまとめて、捲土重来を期すべしという決意の表れです」。旧富士銀OB幹部も言い切る。

旧一勧、旧興銀を封じ込める布石

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