西風 361
大阪キタに新名所誕生
八木亜夫
2011年6月号
乗降客一日二百五十万人のJR大阪駅が、七年がかりの工事で、三十年ぶりに改築された。「梅田すてん所」と呼ばれた初代から五代目の駅舎になる。駅の南側のビルに加えて、北側に一部二十八階建てのビルを新築、これを高架の通路と広場で結ぶ。駅ホームは巨大な大屋根が覆う構造。大阪人には、大屋根といえば、四十年前、千里の万博会場お祭り広場に出現した、太陽の塔でおなじみの長方形の大屋根が懐かしいが、こんどは大きな滝が流れ落ちるような、斬新な透明の屋根になった。
新しいノースゲートビルには、三越伊勢丹百貨店が入った。JR西日本は京都駅を改築した際、伊勢丹を入れて成功している。伊勢丹の大阪進出は初めて。昔からの顧客も多い三越は、古い高麗橋の店を阪神・淡路大震災で失ってから大阪での拠点がなかったが、伊勢丹と組んでようやく復活を果たした。サウスゲートビルの大丸も大幅に増築増床、阪急も大規模改装中、これに阪神を加え、大阪キタでは四つの老舗デパートがしのぎをけずることになった。さらに、新ビルには若い消費者にねらいをしぼった大型専門店街「ルクア」も加わった。ル・・・