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連載

Book Reviewing Globe325 

米大統領「君主論」の書

2011年6月号

The Next Decade Where We'vebeen...and Where We're Going George Fried man Double day 2011$27.95

 二〇〇八年のリーマンショック後の経済危機から世界はまだ回復できていない。欧州のソブリン危機がその典型だが、米国もなお後遺症に苦しんでいる。
 しかし、この危機のもっとも深刻な側面は、経済ではなく地政学的かつ政治的な意味合いにおいてだった。
 その危機の核心は、米国が帝国となってしまったにもかかわらず、米国民がそれを認めず、指導者に非現実的な期待を抱き、その結果、米国の敵と潜在的敵の罠にはまってしまう政治文化と政治力学にある。9・11テロとリーマンショックのいずれもそのような罠を作り出すことになった。
 米国はこれからの十年、そのような罠にかからないようにしなければならない。
 地政学的リスクのコンサルタンタンシー、ストラットフォー(Stratfor)の創設者である著者は、そのように喝破する。
 そのため外交戦略・・・