菅を果たして降ろせるのか
「六月政変」は梅雨空の如し
2011年6月号
参院議長西岡武夫、七十五歳。今や「菅降ろし政局」の最大のキーマンといっていい。毎週木曜日午後、国会内の参院議長室周辺が慌ただしくなる。西岡が議長就任後に始めた異例の記者会見が開かれるためだ。議長といえば政界では高潔無私が建前で、俗に「一丁上がり」のポストで名誉職に近い。ところが西岡はその既成概念をことごとく打ち破る。会見はインターネットで生中継されるため、西岡はマイクを手にして臨む。まず西岡が冒頭発言を行い、その後記者団との一問一答に移るのが通例だが、この冒頭で西岡は必ず記者団に苦言を呈する。
「先週の会見ではとても大切な発言をしたのですが、皆さんは記事にしていなかった」
そんな調子で行われるから、メディア側も西岡に対して好感を抱くわけがない。「あの人は評論家ですから」。多くがニュース化には消極的だ。
ところが、西岡発言が過激になるにつれて無視できなくなった。西岡が続けてきた首相菅直人批判が政局の流れを決定付ける可能性が高まったからだ。
五月十九日付の読売新聞は西岡の寄稿を全文掲載した。題して「首相の責務 自覚ない」。寄稿は書き出・・・