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政治

「浜岡を止めた男」細野豪志

将来の首相候補の「真贋」

2011年6月号

 思いつきのスタンドプレーか、歴史的英断か。まだその評価は定まらないものの、五月六日の中部電力に対する首相・菅直人の浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)運転停止要請は、報道各社の世論調査で「評価する」との回答が六、七割を占め、失点続きの官邸は久しぶりの得点に沸いた。
 浜岡停止プロジェクトは主要閣僚にも直前まで伏せられ、菅と官房長官・枝野幸男、経済産業相・海江田万里らごく少数の関係者で秘密裏に検討が進められた。
「主導的役割を果たしたのは海江田」「流れを作ったのは官房副長官・仙谷由人」と何通りかの検証記事が新聞各紙に載ったが、詳しい経緯を知る政府高官は別の人物の名前を「浜岡を止めた男」として挙げる。
 福島第一原発事故の発生直後から東京電力本店に置かれた事故対策統合本部に首相の名代として常駐し、政府の事実上の事故対策責任者を務める衆院当選四回(静岡五区)、三十九歳の首相補佐官・細野豪志である。

「秀吉に似ている」


 政府高官によると、発端は四月上旬。福島原発の状況を報・・・