台頭する欧州版「茶会」政党
反ユーロ・反欧州統合の危険分子
2011年6月号
アメリカ政界に旋風を巻き起こした「ティー・パーティー(茶会)」運動が、ヨーロッパにも上陸した。ギリシャやアイルランド、ポルトガルの財政破綻を受け、破綻国家への支援を断固拒む政治勢力が、ユーロ圏の豊かな国々で台頭している。フランスやオランダでは、既成の極右政党が、茶会の勢いを取り入れ支持を伸ばしている。茶会型運動の急速な広がりは、ユーロ圏の団結や欧州統合を切り崩す、危険な要因になっている。
五月中旬、北欧フィンランドで主要政党間の連立交渉が決裂した。四月の総選挙で第三党に躍進した「真のフィンランド人」が、ポルトガル救済に同意できないとして、第一党「国民連合党」の入閣要請を拒否したのだ。総選挙での躍進以来、全欧で注目されるようになったティモ・ソイニ党首は、おなじみとなったべらんめえ調で、「こんな事態になったのは、そもそも誰の責任なのかね? これは、欧州連合(EU)の政策のせいだろ。デタラメな、いかれた通貨圏のせいだろ」と、まくしたてた。
フィンランドは昨年の財政赤字がGDP比三・三%と、ユーロ圏平均(六・九%)を大きく下回る優等生で、北欧唯一のユーロ参加国と・・・