橋下徹大阪府知事ひきいる「大阪維新の会」が、満を持しての統一地方選だったが、実のところ、投票日直前までほとんど失速状態だった。東日本大震災という思わぬ事態で、選挙そのものが盛り上がらず、さしも人気の知事本人が街頭演説に立っても、人が集まらなくなってしまい、ときには当人があきらめて引き揚げてしまうほど。知事がマスコミで発信する機会もなし。投票率も期待できず、こんどはダメだと、会の内部もあきらめムードになっていた。
　それが、フタをあけてみると、目を見張るような、それこそ想定外の大勝利。大阪府議会（定数一〇九）は五十七議席、堺市議会（定数五二）は十三議席と、既成各党を蹴散らして、いずれも大躍進となった。大阪市議会（定数八六）は、過半数には届かなかったが、これも三十三議席で堂々の第一党。なんと三議会で維新の会は五十五の議席を増した。だが、橋下知事は意外なことに「われわれは敗北者だ」。自説の「大阪都」実現のためには、最大抵抗勢力である大阪市議会を制圧しなければならない。それが過半数を獲得できなかったから「負け」。といっても、維新の会はも・・・