今夏危惧される「灼熱通勤電車」
原因はJR東の「欠陥車両」に
2011年5月号
「このままいくと今年の夏、関東の通勤電車は大変なことになるかもしれない」
鉄道技術に詳しい業界関係者はこう危惧する。
東京電力管内の計画停電は一段落し、列車ダイヤもほぼ通常に戻っている。しかし今夏、電力供給の不足が予測される中で、節電の一環としてエアコンが使えなければ、東日本旅客鉄道(JR東日本)をはじめとする、関東圏の通勤電車内が暑くなることは容易に予測がつく。
しかし、冒頭の技術者の危惧は、我々が想像するような生易しいものではない。前出関係者が語る。
「JR東が所有する電車は、電力不足を想定していたとは思えない重大な『欠陥』がある」
コストカットの「産物」
現在首都圏を走るJR東の通勤電車は、エアコンで空調管理することを前提として設計されている。そのため、開くことができる窓が従来の車両と比較して限られているのだ。
また、かつては当たり前のように存在した、引き出す形のカーテンも存在しない。代わりに窓には熱線吸収ガラスが採用されている。・・・