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政治

《罪深きはこの官僚》佐渡島志郎(外務省国際協力局長)

ODAを食いモノに

2011年5月号

 民主党政権の求心力失墜により、方々で霞が関官僚が再び跋扈し始めている。この目に余る官僚主導の中で、民主党の看板施策「事業仕分け」の結果を無視し、水面下で今も着々と進む疑惑の「案件」がある。カンボジアの政府開発援助(ODA)事業であり、これをゴリ押しした罪深き官僚が佐渡島志郎・外務省国際協力局長だ。
 同局が担当するODAは国内の公共事業と同じく、道路や橋などのインフラ整備に偏重しているとの指摘があり、二〇〇九年十一月の事業仕分けでも問題視された。中でも事業名をあげて批判されたのが、カンボジアの「メコン第二架橋(ネアックルン橋)建設計画」。メコン川に全長五千四百二十メートルの橋を建設する大型プロジェクトで、事業費は約百二十億円だが、「人道支援に予算が回らなくなるため、有償資金協力が妥当」と見直しを求める結果となった。
 ODAには、事業費の返済が不要な「無償資金協力事業」と、融資額を返済してもらう「有償資金協力事業(円借款)」がある。前者は緊急性を要する医療・保健・教育など収益性が低い人道支援分野が大半で、事業費も平均五億円弱にすぎない。これに対し道路や橋などのイン・・・