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政治

民主党が歪める放射能安全基準

度し難い食品安全行政の怠慢

2011年5月号

「あーやっちゃいましたね」。四月十五日に福島県産のイチゴとキュウリをほおばってみせた菅直人首相のテレビ映像を見て、内閣府食品安全委員会事務局の若手職員は嘆いた。
 政治家の「試食パフォーマンス」は風評被害対策上、絶対にやってはいけない禁じ手だ。牛海綿状脳症(BSE)が発生した一九九〇年に、英国のガマー農相は娘とともにハンバーガーを食べ、九六年の病原性大腸菌O157集団食中毒の際は菅厚相がカイワレダイコンを、二〇〇一年に国内でBSEが発生した時は武部勤農相が牛肉を、それぞれカメラの前で試食したが、いずれも不安は収まらなかった。「政治家が食べるものは安全な部位を選んである」などの臆測を呼ぶだけで、効果がないどころか、逆に不安が高まる。信頼の薄い政治家が非科学的な「安全」を唱えることほど危険なことはないのだ。
 これらの反省から、食の安全を確保するには、中立的で科学的な「リスク分析」が不可欠だというのが先進国の常識となった。日本政府も〇三年七月に内閣府に食品安全委員会を設置して、政治の介入を遮断したのだ。

中立的委員会を議員が「監視」

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