《政界スキャン》
菅は歴代首相の最低
2011年5月号
菅直人首相には早々に辞めてもらうしかないと考えている。理由ははっきりしていて、東日本大震災という敗戦に匹敵する重大な国難に遭遇して、菅は震災後の国家運営を担う力量を持ち合わせていないことがはっきりしたからだ。
筆者は一九六六年から約四十五年間、佐藤榮作に始まって菅まで二十三人の歴代首相を政治記者として観察してきた。英明型は少なく、凡庸がほとんどである。菅もその一人だが、凡庸の下と言うほかない。レールの上を走るだけの機関車役なら曲がりなりにも務まったかもしれないが、もはや前に走るどころか、後ろに逆行しだした感じなのだ。
昨年六月八日、首相に就任して以来、菅は日々評価を下げてきたが、大震災によってそれが決定的になった。民主党内の政敵である小沢一郎元代表は、党員資格停止の身であり、菅批判の資格があるとは思えないが、四月十三日付で小沢が直系議員グループに配った文書の次の一節はマトを射ている。
〈地震、津波による被災者の方々への対応は遅々として進んでいない。また、福島第一原発事故の初動対応の遅れをはじめ、菅総理自身・・・