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経済

「みずほ検査」に不退転の金融庁

経営陣の外部招聘も検討

2011年5月号

 本当に、この企業につける薬はないのだろうか。震災による大混乱の最中、システム障害によって世間への大迷惑事件を引き起こした、みずほ銀行である。依然、システム障害を復旧できないでいる三月中旬、みずほ銀行の営業店長のもとに本部から以下の内容のメールが配信されていた。
「(障害事故の記者会見で西堀利)頭取は頑張っているので(みんなで)励まそう」
 ある営業店長は呆れてこう振り返る。
「そうしたら、けっこう同僚たちが励ましの返信メールをしたんです。顧客に迷惑を掛けているさなかのこと。一体、どっちを向いて仕事をしているんですかね」
 その強権ぶりから、行内では「独裁者」「ヒトラー」との渾名がつく西堀頭取だけに、「まるで世界に迷惑を振りまきながら、国民から見せかけの喝采を浴びる某国トップのような話」と、伝え聞いた周囲も不思議と納得顔だが、いずれにせよ、同行の隅々に顧客軽視がしみわたっていることをあらためて再確認せざるを得ない。
 こうした事態を受け、もとより監督官庁の金融庁の怒りは頂点に達している。システム障害の直後から、ある金融庁幹部が「徹・・・