有能政治家生みだす「英国システム」
党組織が若手を育て上げる
2011年5月号
「現行の選挙制度は民意を正しく反映していない」
四月、英連立与党の一翼を担う自由民主党のクレッグ副首相は国民に繰り返し訴えた。
五月五日に行われる選挙制度変更の是非を問う国民投票。これを前に英国内では、間近に控えた「ロイヤル・ウェディング」を凌ぐほどのニュースとして扱われていた。自民党は、二大政党を利する、死票の多い現行小選挙区制度の変更を諮るこの国民投票を、保守党への連立参加条件に入れていた。
可否は不透明だが、二世紀近くも続く選挙制度の変更を、投票という場まで持ち込んだのだ。たかだか四十代前半の若い政治家が、与党の党首となり、これほどの実行力を持つ。連立を組む保守党の党首であるキャメロン首相もご存じの通りの若さだ。なぜ英国は、有能な若手政治家に恵まれるのか。
「この国の政党組織主導の政治家育成システムは優れている」
ロンドン在住のジャーナリストはこう評価する。若いころから政治家としての基礎を叩きこまれ、競争の中で鍛えられて自然と「プロ」ができあがるのだという。
結果出せば抜擢
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