それでも石原は当選するのか
築地移転予定地では「液状化」発生
2011年4月号
三月二十四日、東京都知事選挙は、ひっそりと始まった。
「東京をガタガタにするわけにはいかない」
現職都知事の石原慎太郎は、港区の選挙事務所で第一声をあげた。実は二月に入り、石原は周囲にこう漏らしていた。
「都政で自分がやるべきことはもうない」
その石原がなぜいま、知事選を戦っているのか。出馬の態度表明こそ延ばしていたものの、前回、二〇〇七年の選挙の際には「最後のご奉公」と訴え、べつのところでは「多選の弊害」を指摘していたにもかかわらず……。
減少している「震災予算」
カギを握るのはいうまでもなく自民党幹事長で長男の石原伸晃だ。自民党は当初から石原出馬に狙いを絞っていた。都政での自民、公明両党の「共犯関係」を維持し、国政での野党協力を確立するためには石原都政が継続することが望ましかったからだ。
そもそも、昨年九月に自民党総裁の谷垣禎一が伸晃を幹事長に据えたのは、「人望も、政策の理解力もないが、慎太郎を都知事選に・・・