日立の原子力事業に また「疑惑」
福島原発事故でも不具合か
2011年4月号
三月七日、長年経営の「お荷物」となってきたハードディスクドライブ(HDD)事業を手掛ける子会社「日立グローバルストレージテクノロジーズ」の米社への売却を決めた日立製作所。巨象に例えられ、常に経営判断の遅さを指摘され続けてきた同社にしては、「まれにみる英断」(証券大手)と、市場から上々の評価を受けた。これにより、原子力発電事業や鉄道事業といった社会インフラ分野への特化を高らかに宣言した、まさにその矢先の出来事だった。
このわずか四日後に起きた東北関東大震災。津波被害による爆発事故が相次ぎ、原子力安全神話を崩壊させた福島第一原子力発電所だが、日立が唯一手掛けた四号機だけが実は「奇怪な」挙動を見せていた。
説明がつかない爆発
十五メートルほどの津波を受けた福島第一原発では、冷却機能の喪失により、地震発生時に運転中で、炉内に核燃料を入れていた一~三号機は、水素爆発や高濃度の放射能を周囲にばらまくなど、深刻な被害をもたらしたのは周知の通り。
ただ、核燃料の水からの露出による炉心・・・