みずほに迫る「解体」の危機
騒動の渦中でも人事抗争に夢中
2011年4月号
みずほ銀行が九年前の大失態を見事に再現してくれた。重大なシステム障害にほかならない。性懲りもなく、このメガバンクは再び、深刻な社会的混乱を誘発させた。よりにもよって、東日本大震災でわが国全体が動揺を来しているときに、だ。それだけでも厳罰に値するが、さらに問題なのは、この事態をめぐっても発揮された同社の「体質」の数々である。
システム障害のさなかのことだ。みずほ銀行の支店内から、人知れず姿を消したものがある。「『みずほでよかった』を、つぎつぎとプロジェクト」の行内アピールポスターだ。同プロジェクトは「西堀利頭取発案」という大々的な触れ込みだった割には、お世辞にも誉められた代物ではない。みずほの全行員が胸に、「みずほでよかった。あなたでよかった。そう言っていただけるように。」という標語が記された名刺大の紙をつけ、そこに自分の目標を書き込む、という程度のものだ。
プロジェクトの開始から、一カ月余りしか経過しないうちに重大なシステム障害の発生。さすがにプロジェクトは中止され、ポスターを剥がすしかなかった。いまや行内はどっ白けムードに包まれている。幹部行員は我慢し・・・