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経済

石油・LNG 「争奪戦」が始まった

見直される「災害」に強いエネルギー

2011年4月号

 三月十一日は日本のみならず、世界の原子力関係者にとっても「安全神話」が崩壊した日として永遠に記憶されるであろう。そして少なくとも日本では、向こう十年程度は、エネルギー安定供給の中核を担うものは石油と天然ガスしか考えられなくなった。
 この思わぬ展開に、内心ほくそ笑んでいるのは「政情不安」と無縁の一部産油・産ガス国と、欧米の石油メジャーだ。アジア最大の化石燃料消費国・中国の隣に、新たな「大口優良顧客」が誕生したからだ。また今回、石油・天然ガスが大災害時にまず必要とされる“ファースト・エネルギー”であることを見抜いたヘッジファンドも、ロンドン市場の天然ガス先物、シンガポール市場の重油先物に次の狙いを定めた。日本発の地震と原発インパクトはリビア情勢等の長期化懸念も相まって、世界の石油・天然ガスの交易地図を大きく塗り変えようとしている。

深海部油田開発を再開へ


 あるスーパーメジャーの幹部は、東北地方太平洋沖地震で炎上する石油コンビナートの映像を見て、「日本と中国によ・・・