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経済

ソフトバンクに「高転び」の危機

通信量爆発とiPhone流出の二重苦

2011年3月号

「いまさらこんなことをいうのもあれなんですけど、つながらないスマートフォンなんて意味ないですよね」―。
 人気グループ「嵐」の相葉雅紀が真顔で語りかける、二月から始まったKDDI(au)のスマートフォンCMだ。もちろんつながらないスマートフォンとは、ソフトバンクモバイルの「iPhone」を揶?している。現在、末期がんと闘うアップル創業者スティーブ・ジョブズの労作は日本では「つながらない」の汚名を着せられて久しい。孫正義ソフトバンク社長は電波改善宣言でインフラ整備を急ぐとしているが、通信量激増という洪水の前に具体的な策を出せずにいる。
 ある地方都市で警察官が、運転中に携帯電話を手にした運転者を止めた。「君、運転中の電話は罰金だぞ」。すると運転者は「これiPhoneです。音楽を聴いていただけ」。警官は納得したように「それなら行ってよろしい。iPhoneなら圏外だろうから」。
 こんな実話とも小話ともつかぬ話がネット上で話題だ。iPhone人気とは裏腹に、ソフトバンクの通信インフラの脆弱さに対する利用者の不満は高まるばかりだ。加えて、自ら口火を切った通信・・・