「不払い」第一生命に狭まる包囲網
地検特捜部も「重大な」関心
2011年3月号
未だに膨大な不払いを隠し続ける第一生命保険。その隠蔽の首謀者である渡邉光一郎社長に対して、早ければ五月にも株主代表訴訟が起こされる。
「代表訴訟の対象は今のところ二件。一つめは二〇〇七年に第一生命が国会議員のパーティー券を一千百万円程度購入している件。不払い問題を何とかするため政界工作として購入したものですから違法、不当です。もう一つは、〇九年八月の総選挙で渡邉氏が選挙応援行脚を行った際の交通費やその期間の役員報酬の返還。金銭的な問題ではなく、現社長(当時は専務執行役員)が本業をそっちのけで、公示日から投票日前日まで十二日間のうち九日も選挙応援で飛び回るなどというのは度が過ぎている、という主張です」(代表訴訟の弁護団長、阪口徳雄弁護士)
不払い隠蔽工作の“政界ルート”がようやく法廷の俎上に載ることになりそうだ。現在訴訟の対象として検討されているのは二件だが、本丸はまだ先に待ちかまえている。
「今後、第一生命が業務停止処分を受けた場合、当然、株主代表訴訟の対象になります。隠蔽工作ばかりしていたから業務停止になるんだ、という主・・・