企業献金廃止が政治をダメにする
財界に口もカネも出させよ
2011年3月号
二月二十一日、東京都・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれた日本経団連と自民党の会合でのことだ。米倉弘昌経団連会長が二〇一一年度予算案とその関連法案の今年度内成立への協力を要請し、これを谷垣禎一総裁が一蹴。白けた雰囲気が漂う中、会合終了間際に、党経理局長の森山裕が「不景気ではあるが、献金の方もよろしくお願いしたい」と要望した。
この発言に苛立ちを倍加させたのか、米倉は同じ日の記者会見で、「国民が税金を払っていながら、国民のために何もしない。給料泥棒のようなものだ」と政党への不満をぶちまけた。
経団連が各党の「政策評価」を行い、会員企業の献金額の参考にする方式の関与をやめてから、間もなく一年。当時の御手洗冨士夫会長が「これまで以上に政策提言能力を高め、存在感を増す」と誓った通り、財界は政治に「カネは出さずに口ばかり出す」存在になった。これでは、いくら米倉が吠えても、影響力は乏しい。
現実を無視した理想論
時を同じくして民主党政権は、今の通常国会に企業団体献金を完全禁止・・・