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政治

小沢一郎の醜い「往生際」

「殿様」細川まで担ぎ出す延命策

2011年3月号

 小沢一郎は孤独の人である。「側近」といわれた人物はめまぐるしく入れ替わり、ほとんどが小沢の下から去っていった。自民党時代には、小沢を「兄貴」と慕った中西啓介や船田元、自民党を飛び出してからも通産省出身の熊谷弘をはじめ、根回しを得意とする二階俊博、政界渡り鳥の小池百合子ら枚挙にいとまない政治家が「側近」と称されたが、長続きしなかった。「常に絶対の忠誠を求め、ちょっとでも気に入らないことがあると電話にも出ない。我々に意見を言わせず、独断で物事を決める政治手法にほとほと嫌気がさした」と元側近の一人は匿名を条件に語る。

唯一の側近・平野貞夫のシナリオ


 その中でただ一人といってもいい例外者がいる。元参院議員の平野貞夫だ。衆院事務局出身の彼は、小沢が自民党内で頭角を現してきた衆院議院運営委員長時代に担当課長として仕えて以来、「政治的中立」を守らねばならない公務員の規範を無視して小沢にのめり込んでいった。小沢は、政治の父でもあり師でもあった田中角栄を裏切り、竹下派結成に走ったことを自ら教訓とし、後継者をつ・・・