中国に「中東革命」は波及しない
「社会管理」を強化する共産党
2011年3月号
「次は中国か」。チュニジアに始まった民主革命の波が中東全域に広がる中で、中国に飛び火するかが、国際的な関心事になった。二月十一日、エジプトのムバラク政権が崩壊した直後、中国のある民主派知識人は「波及は時間の問題だ」と話したが、それから一週間もしないうちに、北京、上海など十三都市での集会を呼びかけるメッセージがネット上に流れた。集会指定日の二十日、各地に厳戒態勢が敷かれ、不発に終わったものの、中国共産党の危機感は極めて強い、と中国筋は言う。
中国では一九八九年、学生たちの民主化要求デモが、全国的な反政府行動に発展、武力行使によって辛うじて独裁政権を維持した天安門事件の記憶が鮮明だ。中東の独裁政権が次々に倒れ、危機に陥る事態を見て、中国の指導者たちは天安門事件を想起したに違いない。そこから得た教訓は、盤石にみえる独裁政権であっても、いったん大衆の集団行動に火がつくと、政権自体が窮地に陥るということだった。
中国当局は、今年一月、チュニジアの「ジャスミン革命」が起こった後、中国への波及を予防する幾つかの措置を取ってきた。インターネット規制や知識人への監視強化など・・・