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韓国が受注したUAE原発 資金調達難航で工事始まらず
2011年3月号公開
韓国は一昨年、アラブ首長国連邦(UAE)から四百億ドルの原発建設工事を受注して、原発輸出国に仲間入りしたと大々的に宣伝したが、一年たったいまも起工できていない。原発本体の建設費二百億ドルのうち百億ドルを韓国が融資するという条件だったが、韓国輸出入銀行の資金調達が難航しているのだ。
同銀行がこれまで手がけた海外発電プラント融資残高は十カ国二十一億ドルで、UAEへの百億ドルはその五倍に達する。この資金を国際金融市場で調達する場合、スタンダード&プアーズの国家信用格付けがAAのUAEにくらべAの韓国は、高い金利で資金を調達して安い金利で融資する逆マージンになる。
この不利な契約条件は今後の韓国の海外原発受注にも影を落としかねない。
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