英政権は財政再建に「猪突猛進」
不退転の「四十代コンビ」
2011年3月号
英国で、デビッド・キャメロン首相率いる保守、自由民主二党の連立政権が財政再建に邁進している。保守党単独では下院過半数に十九議席も足りず、パートナーの自民党は「水と油」というハンディにもかかわらず、不人気な増税や歳出削減に突き進む。選挙での政権交代は日本の民主党から八カ月遅れたが、今や政権の方向性でも、実績でも、支持率でも、民主党政権に大差をつけてしまった。
首相と並ぶ連立政権の顔、ニック・クレッグ副首相が二月九日、公共放送BBC主催の対話集会に臨んだ。学費値上げ問題が議題で、参加者は二十人あまりの大学生。「連立政権に最も怒っている層であり、(公約を全面撤回した)副首相は最も憎まれている政治家」(BBC)だが、クレッグ副首相は、「あなたは裏切り者だ」と迫る学生たちをきっと見返して、「私たちは、厳しい財政状況下で、貧しい学生たちを助けようと最善の政策を考えた。私は謝罪しません」と言い切った。
英大学の学費は、貧困層支援のため、上限が設けられ、不足分を国が補填してきた。だが、連立政権は、補填の大幅減額を決め、昨年末に上下両院で改革案を通過させた。イングランド地・・・