トヨタ最大のタブー「生産リストラ」
「独り負け」の原因
2011年2月号
「トヨタ独り負け」―二〇一〇年の自動車業界を総括すれば、最大のトピックスはこれだろう。米国での品質問題を皮切りに、これまでの好業績の裏で蓄積していたトヨタ自動車の制度疲労が次々に浮上。もはや「強いトヨタ」の面影はみじんもない。だがトヨタは販売の不振以上に経営の根幹を揺るがす「時限爆弾」を抱えている。過剰生産力の問題だ。膨れ上がった生産力を削減できるのか。トヨタの真の復活は生産拠点のリストラ、この一点にかかっている。
リコール騒動を隠れ蓑に
「正直、ここまで伸び悩むとは思わなかった。今年も望み薄だな」と、トヨタと取引がある自動車部品メーカー関係者はため息をつく。米国、中国の二〇一〇年自動車販売台数が発表され、トヨタの退潮が浮き彫りになったからだ。米国では前年比〇・四%減の百七十六万三千五百九十五台と三年連続のマイナスで、販売シェアでも米フォード・モーターに再逆転され、〇六年以来四年ぶりの三位転落となった。トヨタを除く日米韓の主要メーカーがプラス成長に転じたのとは対照的だ。
中国では台数・・・