《クローズ・アップ》末川久幸(資生堂次期社長)
「アジア戦略」で試される五十一歳
2011年2月号
「十二歳若返り」。多くのメディアが資生堂次期社長に末川氏が指名されたニュースの見出しをこう採った。四月一日の就任時に五十二歳の新社長を若返りと呼ぶところに日本の産業界の停滞とメディアの頑迷さが象徴されていよう。まして「アンチ・エイジング」や「肌年齢」を商売にしている化粧品会社のトップになり、改革に大なたを振るうとしたら、むしろぎりぎりの年齢での就任とみるべきなのだ。
様々な意味で資生堂は日本の名門企業の縮図だ。国内では高いブランド力を持ち、社員全員が食べていくには困らない程度の利益を出し、中国などアジア市場でも一定の存在感を示す。何をやっても手堅いが、爆発的なエネルギーや将来性は感じさせない。来年で創業百四十年だが、このまま二百年目を迎えてもおかしくない静止画のような会社だ。
末川氏に求められるのは、何よりそうした手堅いだけの静止した組織や社員をスピードのある組織、動く社員に転換させることだろう。「国内事業の立て直し」を次期社長のミッションと指摘したメディアも少なからずあったが、日本の化粧品会社の古い営業体質をいくら立て直しても資生堂は成長軌道には乗らない。{b・・・
様々な意味で資生堂は日本の名門企業の縮図だ。国内では高いブランド力を持ち、社員全員が食べていくには困らない程度の利益を出し、中国などアジア市場でも一定の存在感を示す。何をやっても手堅いが、爆発的なエネルギーや将来性は感じさせない。来年で創業百四十年だが、このまま二百年目を迎えてもおかしくない静止画のような会社だ。
末川氏に求められるのは、何よりそうした手堅いだけの静止した組織や社員をスピードのある組織、動く社員に転換させることだろう。「国内事業の立て直し」を次期社長のミッションと指摘したメディアも少なからずあったが、日本の化粧品会社の古い営業体質をいくら立て直しても資生堂は成長軌道には乗らない。{b・・・