《政界スキャン》
石原こそ「我欲の人」
2011年2月号
正直言って、東京都知事の石原慎太郎は好きになれない。発言の数々には耳を傾けるものもあるが、自分以外の人間と世間を小馬鹿にしたような言動が鼻につく。ほとんどの人がそう思っている。だが、傲岸ぶりがなくなれば、石原の存在感も消えるのかもしれない。
石原は三期十二年、「首相に次ぐ権限を持つ」と自賛する都知事のイスに座り、この四月の選挙で四選目に名乗りを上げるか、年初から注視されている。七十八歳の高齢、引退と大方はみていたが、そうでもなさそうだ。すでに、往年の圧倒的人気はない。しかし、先日、都民に問うた世論調査では、支持率が六七%の高率だった。当人は、
「肉体的限界もあるからなあ」
ともらしながら、反応をみているようなところがある。七十八歳という年齢はむずかしい。体力の衰えは当然感じていても、未練が残るのだろう。石原の進退によって、ほかの候補者の顔ぶれも変わってくるから、当分、この問題が政界の話題の一つになる。
石原は一月二十三日の日曜日、民放テレビ二局にハシゴ出演した。出演自体が、
「出馬の・・・