「変節」した岡田克也
みるみる萎む待望論
2011年2月号
民主党のツートップ、首相・菅直人と幹事長・岡田克也の間にすきま風が吹き始めている。刑事被告人の身となる元代表・小沢一郎に離党勧告を突き付けるか、野党の小沢喚問要求に応じるか。「小沢起訴」という最終局面を迎え、脱小沢路線を突き進んできた二人の足並みには乱れが生じていた。
検察審査会の議決に基づく小沢の強制起訴が秒読み段階に入った一月二十二日夕、菅は首相公邸に岡田を呼んだ。五十分間のサシの会談。「通常国会召集前に衆院政治倫理審査会に出席を」との執行部要請を蹴った小沢への敵意をむき出しにし「政倫審問題だけでも処分に値する。党の方針に従わず、そのうえ起訴となれば離党してもらうしかない」と離党勧告断行に同意を求めた菅に対して、意外にも岡田は難色を示した。「丁寧にやらないと党が割れる恐れがある。白紙の状態で役員会、常任幹事会で議論し合意形成を図るべきだ」。
岡田の躊躇は、菅にとって計算外だった。そもそも昨年九月の内閣改造・党役員人事で、外相続投を望んだ岡田を口説き落として幹事長に据えたのは、この日がくるのを見越して「小沢切り」の執行人にするためだったからだ。
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