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ナイジェリアがテロ組織の「巣窟」に

侵食し始めた「アルカーイダ」

2011年2月号

 サハラ砂漠以南アフリカには、アルカーイダに連なるイスラム過激派の活動が明瞭な形で確認されている地域が二つある。一つは本誌先月号で紹介した「アル・シャバブ」が巣食うソマリアを中心とする「アフリカの角」。もう一つは、ニジェール、マリ、モーリタニアを中心とするサハラ砂漠南部で、アルジェリア源流の「イスラム・マグレブ諸国のアルカーイダ(AQIM)」が主に欧米人の誘拐、殺害を繰り返している。米国務省の「海外テロ組織リスト」に名を連ねる四十七組織のうち、サハラ以南を拠点としている組織はこの二つである。
 だが、ここへきて、二組織以外のイスラム過激派の存在が顕在化し、サハラ以南におけるアルカーイダ・ネットワークの拡大が懸念され始めた。舞台はアフリカ最大の産油国ナイジェリア。組織の名は「ボコ・ハラーム」という。
 昨年十二月二十四日、同国中部プラトー州の州都ジョスのキリスト教徒が多く集まる市場など七カ所で爆弾が爆発し、少なくとも八十人が死亡した。北東部ボルノ州のマイドゥグリでは同日、キリスト教会が襲撃され牧師ら六人が殺害された。さらに大晦日には、首都アブジャの市場での爆発で・・・